共有名義の不動産を売りたいのに反対中にできる対処法

2026年1月9日 任意売却

「親から相続した実家を売りたいのに、兄弟に反対されて話が進まない…」とお悩みではありませんか?

結論からお伝えすると、他の共有者が反対していても、あなた一人の判断で共有不動産を現金化する方法は存在します。

その方法とは「共有物分割請求訴訟」「持分のみ売却」の2つです。

なぜこの2つの方法が使えるのかというと、法律上、共有者には「共有状態の解消を求める権利」と「自分の持分を自由に処分する権利」が認められているからです。

つまり、相手がどれだけ反対しても、法的には止められないのです。

たとえば、共有物分割請求訴訟を起こせば、裁判所が強制的に不動産の分け方を決めてくれます。

また、持分のみ売却を選べば、専門業者に自分の持分だけを買い取ってもらい、最短数週間で共有関係から離脱することも可能です。

共有名義の不動産を売りたいのに反対される理由とは

「実家を売りたいのに、兄弟が首を縦に振ってくれない…」。共有名義の不動産でこのような悩みを抱えている方は、実はとても多いのです。

共有不動産とは、一つの不動産を複数の人が所有している状態のことです。

よくあるのが、親が亡くなった後に子どもたちが相続で共有することになるケースですね。

共有者間で売却への意見が分かれる典型的なケース

親から実家を兄弟3人で相続したとします。あなたは遠方に住んでいて実家には戻る予定がないので「売却してお金で分けたい」と思っています。

でも、長男は「いずれ実家に戻って住むかもしれない」と考えていて、次男は「思い出のある家を売るなんて親不孝だ」と感情的に反対している。このような状況、実は珍しくありません。

まとめると

  • 居住継続派 vs 現金化派:実際に住んでいる人や将来住む予定の人と、現金で分けたい人との対立
  • 思い出重視派 vs 合理派:感情的に手放したくない人と、経済的に判断したい人との対立
  • 様子見派 vs 即決派:「もう少し待てば値上がりするかも」と考える人と、今すぐ売りたい人との対立
  • 連絡不通・行方不明:そもそも話し合いのテーブルにすら着けないケース

どのケースにも共通しているのは、「誰が悪い」という問題ではないということです。

それぞれに言い分があり、それぞれの人生設計があります。だからこそ話し合いだけでは解決しにくく、法的な手段を知っておくことが重要になるのです。

なぜ「全員の同意」が原則なの?民法251条の基本ルール

「自分も所有者なのに、なぜ自分の判断だけで売れないの?」と疑問に思う方も多いでしょう。

これには、民法という法律がしっかりと理由を定めています。

民法251条では、共有物の「変更行為」には共有者全員の同意が必要と規定されています。


不動産を売却することは、まさにこの「変更行為」に該当します。なぜなら、売却してしまえば不動産そのものがなくなってしまうからです。これは他の共有者の権利を大きく害する行為なので、勝手にはできないというわけですね。


イメージしやすく例えると、3人で一緒に買ったケーキを想像してみてください。

このケーキを他の人に売ってしまったら、他の2人は自分の分のケーキを食べられなくなりますよね。だから、売る時は3人全員の「いいよ」が必要なのです。

ただし、ここで重要なポイントがあります。これはあくまで「不動産全体」を売る場合の話です。

実は、「自分の持分だけ」であれば、他の共有者の同意なしに売却することが認められています。この点については後ほど詳しく解説しますので、「全員の同意がないから絶対に無理」と諦める必要はありませんよ。

共有不動産を放置すると起こる3つの深刻なリスク

「話がまとまらないから、とりあえず今は何もしないでおこう」。そう考えてしまう気持ちはよくわかります。

でも、共有不動産の問題を先送りにすることは、将来の自分や家族に大きな負担を押し付けることになりかねません。

専門家の間では、こうした放置状態を「塩漬け不動産」と呼びます。

具体的にどんなリスクがあるのか、3つに整理してお伝えします。

リスク 内容 具体的な影響
権利関係の複雑化
(数次相続問題)
共有者の誰かが亡くなると、その持分はさらにその相続人へと引き継がれます。 3人の共有だったものが、10年後には10人以上の共有になっているケースも珍しくありません。こうなると、全員の同意を取り付けることはほぼ不可能になります。
固定資産税・管理費の
負担継続
共有者には「連帯納税義務」があり、誰かが払わなければ、あなたに請求が来る可能性があります。 住んでもいない家のために、毎年何万円もの税金を払い続けるのは、精神的にも経済的にも大きな負担です。
建物の老朽化と
「特定空家」指定
管理されない空き家は急速に劣化します。「空家等対策特別措置法」により「特定空家」に指定されると、固定資産税の優遇措置がなくなります。 税額が最大6倍に跳ね上がることもあります。さらに、倒壊などで近隣に被害を与えれば、損害賠償責任を問われるリスクもあるのです。

「そのうち何とかなるだろう」という考えは、残念ながら共有不動産には通用しません。

問題を認識した今こそが、行動を起こすベストなタイミングなのです。

最近の不動産買取マスターの買取事例

反対されても諦めなくていい!同意なしで現金化する2つの方法

実は、共有者が反対していても、あなた一人の決断で現金化への道を切り開く方法が2つ存在します。

一つは「共有物分割請求訴訟」という裁判を使う方法、もう一つは「持分のみ売却」という方法です。

どちらの方法にもメリット・デメリットがあり、あなたの状況や優先したいことによって最適な選択は変わってきます。

共有物分割請求訴訟で強制的に解決する方法

「共有物分割請求訴訟」とは、裁判所に「この共有状態を解消してください」とお願いする訴訟のことです。なんだか難しそうに聞こえるかもしれませんが、これは共有者であれば誰でも、いつでも起こすことができる権利として民法256条で保障されています。

この方法の最大の特徴は、相手がどれだけ反対していても、裁判所が強制的に「分け方」を決めてくれるという点です。話し合いに応じない相手、感情的になって聞く耳を持たない相手に対しても、法の力で解決への道を開くことができます。

ただし、この方法は時間がかかります。訴訟を起こす前に、まず「話し合いをしたけれどダメでした」という実績(これを「協議前置」といいます)が必要ですし、裁判自体も半年から1年以上かかることがあります。

じっくりと腰を据えて、適正な価格での解決を目指したい方に向いている方法です。

自分の持分だけを売却して即座に離脱する方法

「裁判なんて何年もかかるのは耐えられない」「相手の顔を見るだけでストレス」「多少損してでも、今すぐこの状況から解放されたい」。そんな方には、「持分のみ売却」という方法があります。

これは、不動産全体ではなく、あなたが持っている「共有持分」だけを専門の買取業者に売却する方法です。

驚くべきことに、この方法では他の共有者の同意は一切必要ありません。なぜなら、民法206条で「所有者は、自分の所有物を自由に処分できる」と定められているからです。共有持分もあなたの「所有物」なので、自由に売れるのです。

この方法のメリットは、とにかくスピードが早いこと。専門業者であれば、最短で数日、長くても数週間で売却が完了します。

売却した瞬間にあなたは共有関係から完全に離脱でき、その後の面倒な交渉は全て業者が引き受けてくれます。

一方で、買取価格が市場価格より大幅に安くなるというデメリットがあることは覚えておきましょう。

2つの方法の比較表(期間・金額・手間)

まず、それぞれの特徴を簡潔に整理すると以下のようになります。

  • 共有物分割請求訴訟:時間はかかるが、市場価格に近い金額での現金化が期待できる
  • 持分のみ売却:価格は安くなるが、最短数日でトラブルから完全に解放される
比較項目 共有物分割請求訴訟 持分のみ売却
相手の同意 不要(単独で提起可能) 不要(自分の権利として処分可能)
現金化の金額 高め(市場価格に近い) 安め(市場価格の半値以下も)
解決までの期間 長い(半年〜1年以上) 早い(最短数日〜数週間)
手間・ストレス 訴訟対応が必要 ほぼ業者任せでOK
向いている人 適正価格を優先したい人 スピード・精神的解放を優先したい人

どちらが「正解」ということはありません。あなたが何を最も優先したいのか、それによって選ぶべきルートは変わってきます。

どちらを選ぶべき?

ここまで、「共有物分割請求訴訟」と「持分のみ売却」という2つの方法を詳しく解説してきました。どちらにもメリット・デメリットがあり、「これが絶対の正解」というものはありません。

大切なのは、あなた自身の状況と優先順位に合わせて選ぶことです。「お金」を優先するのか、「時間と心の平穏」を優先するのか。この章では、それぞれの選択肢がどんな人に向いているのか、そして専門家に相談すべきケースについて整理していきます。

時間がかかっても高く売りたい人は「共有物分割請求」を選ぼう

以下のような状況や考えをお持ちの方には、共有物分割請求訴訟をお勧めします。

まず、「持分の価値がそれなりに大きい」場合です。持分の価値が数百万円以上ある場合、持分売却で半値以下になってしまうと、数百万円単位で損をすることになります。時間をかけてでも適正価格での現金化を目指す価値があります。

次に、「相手に買い取ってもらえる可能性がある」場合です。相手が実家に住み続けたいと思っている場合、訴訟を起こすことで「競売になるくらいなら買い取る」という判断に至ることがあります。この場合、市場価格に近い金額での解決が期待できます。

また、「時間的・精神的な余裕がある」場合も向いています。訴訟は半年〜1年以上かかることもありますし、弁護士とのやり取りや裁判所への対応も必要です。これらに対応できる余裕があることが前提になります。

最後に、「筋を通したい」という気持ちがある場合です。「相手の言いなりになって安く手放すのは悔しい」「きちんと法的に正しい解決をしたい」という思いが強い方には、訴訟という正面からの解決が向いています。

今すぐストレスから解放されたい人は「持分売却」を選ぼう

一方で、以下のような状況や考えをお持ちの方には、持分のみ売却をお勧めします。

まず、「精神的な限界が近い」場合です。共有者との関係悪化で夜も眠れない、考えるだけで胃が痛い、という状態であれば、お金よりも心の健康を優先すべきです。数百万円の差よりも、あなたの健康の方がずっと大切です。

次に、「持分の価値がそこまで大きくない」場合です。持分の価値が数十万円〜百万円程度であれば、訴訟の費用と労力を考えると、割り切って業者に売却した方が合理的な場合があります。

また、「相手との交渉が完全に不可能」な場合も向いています。相手が行方不明、認知症で判断能力がない、海外在住で連絡が取れないなど、そもそも話し合いのテーブルに着けない場合は、持分売却でスパッと離脱することも一つの選択です。

最後に、「今すぐ現金が必要」な場合です。介護費用や借金返済など、急いで現金が必要な事情がある場合、訴訟で1年待つ余裕はありません。持分売却なら最短数週間で現金化できます。

まとめ

【適正価格での現金化を目指すなら:共有物分割請求訴訟】

時間はかかりますが、裁判所の力を借りて強制的に共有関係を解消できます。「競売」という最終手段をカードに、有利な条件での和解を引き出すことも可能です。

【スピードと精神的解放を優先するなら:持分のみ売却】

価格は安くなりますが、最短数日で共有関係から離脱できます。面倒な交渉は全て業者に任せ、あなたはストレスから解放されます。

どちらを選ぶかは、あなたの状況と優先順位次第です。ただ一つ確実に言えることは、「放置はリスクでしかない」ということ。時間が経てば経つほど相続が重なり、関係者が増え、解決はどんどん難しくなります。

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