京都市北区の築80年連棟住宅

2025年02月11日

連棟住宅 危険建築物指定 現状有姿 相続前処分 雨漏り

買取りに至るまで

この物件は築80年近く経過しており、ご高齢のご主人様が所有されておられました。しかし、屋根は落下し雨漏りも酷く、室内はゴミ屋敷のような状態でした。トイレと浴室は離れにあり、こちらも半壊状態のため、そのままでは使用できず、20年以上空家として放置されていました。

最も困ったのは、京都市より危険建築物に指定され、役所から何度も修繕を指導する手紙が送られていた点です。ご高齢の所有者様には修繕のための金銭的余裕がなく、地元の不動産業者に相談すると、500万円以上の修繕見積もりが提示され、修繕後は400万円前後で売却する提案を受けたり、別の業者からはそのまま引き取る代わりに残置物撤去および維持管理費用として数百万円を支払えばよいとの提案があったりしました。結果として、売主様が数百万円単位で負担しなければならず、大変な状況に陥っておりました。また、ご高齢のご主人様は長期間体調不良であったため、奥様よりご相談の電話をいただいた次第です。

奥様のお話によれば、建物の状態が酷く、壁や屋根の一部が崩れており、周辺住民にも迷惑をかけているため、できるだけ早く処分し、建物を改修改善してくれる業者を探しているとのことでした。また、資金が十分ではないものの、多少の費用であれば支払う意向があるため、何とかならないかとお考えでした。

実際に建物を内覧させていただくと、確かに非常に酷い状態であることが確認されました。連棟の建物であり、間口も2.5メートルしかなく、単独での建て替えは困難と判断いたしました。しかし、弊社では屋根や外壁、室内の残置物を撤去し、民泊用に改装して貸し出すという案を社内に提出。多少の時間は要しましたが、社内稟議が下り、売主様に金銭的な負担をかけることなく、現状のままでの売買を実現することができました。

もちろん、奥様は大変喜ばれておりました。一方、ご主人様は契約に至るまで疑念を抱かれておりましたが、無事に契約および決済が完了し、初めてご主人様のお笑顔を拝見した際、担当者も非常に嬉しい気持ちになりました。